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【みんなが育ててくれる】

プライベートな話。


先日息子が「今から友達のうち行く」と言い出し、いやもう16時だけど、、、と思ったけどどうしても行くというので、その子のママにラインしたら「いいよ!」と言ってもらい。

颯爽と自転車に乗って出かけた10歳。


20分後、知らない番号から私の携帯に電話が入る。


「グズ、、くすん。ママ、、、、あの、、、」


え?


そして後ろで知らない女性の声がして、「大丈夫? 説明できる?」となって。


あれ、なんか不穏だけど、、、と訝しんでいると。


「あのね、私●●地区の〇〇だけど、道端でこの子自転車ごと転んで倒れててね。肘を擦りむいてたから絆創膏貼って、家帰れる?って聞いたら、気持ち悪いって言うのよ」


そして、ご自宅で我が子を保護してくれていると言う。※ちなみに息子は私の携帯番号を暗記している。だから電話してもらえた。


なんと、、、!


私は娘をピアノ教室へ迎えに行っていたので、すぐに娘を家に届け(ばあちゃんがいる)、軽自動車から普通車に乗り換えて教わった地区に行ってみた。


心配そうにしたおばちゃんが、庭で待っててくれていた。


「先ほどご連絡をいただいたものです、ありがとうございました!」と声をかけると、ホッとしたように笑ってくれて、そして玄関先へ案内してくれた。


息子、玄関の上がり框(っていうの?)に毛布でくるまれて、横たわっていた。その周りを2歳の女の子を筆頭に5人くらいの幼児がぐるりと囲み、「イタイ?」とか、いっぱい声をかけてくれている。


「気持ち悪いっていうけど、頭は打ってないと思うのよ。自転車で走ってる途中に横に転んで、肘を擦りむいてたから。車とぶつかったわけでもないみたい」


と、おばちゃんと、お嫁さんぽい方が交互に説明してくれた。


本人に「頭は打ってないのね? 気持ち悪い?」と確認すると、「倒れたときはただ転んだだけ。起こしてもらって、歩こうとしたら目の前が真っ暗になった」と。


その時は「血が出て気が動転したのかな」と思ったのだけど、今思えば迷走神経反射なのかも。いや、本当のことはわからないけど。


脂汗をいっぱいかいて、優しいおばちゃんとお嫁さんと5人のちっちゃい子に心配されて毛布にくるまれた息子は、なんか、大変な目にあって、本当にドキドキしたと思うのだけど。

私はいい人たちに見つけてもらえて、なんて幸運なんだと感じてしまい。


「あの、また改めてお礼に伺いますので」と深々と頭を下げ(その前に息子を寝かせたまま、敷地内にきちんととめてもらっていた自転車を車に積み込んであった)、フラフラするけどだいぶ回復した息子を支えつつ車に乗せて帰った(友達のママには、家まで行けなかったことをラインで報告)。


帰宅するころには彼は平常心を取り戻し、「夕焼けが赤いとなんで明日晴れるか知ってる?」とか私に問いをかけてくるので、なんだもう元気じゃんと思っていた。


小さい町はいろんなところにあったかい人の目があって、それはとてもかけがえのないものだなと感じた。


子どもたちがあちこちで自由に遊んで、成長する。


自転車での大冒険。


ここ最近、彼は自転車ひとつを相棒に、いろんな場所へ冒険に行く(ただし学区内限定)。



写真は、少し前に読んだ「ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー」。イギリスの格差社会がすごくて、そこで育つ子どもたちの困難を思うと切ないのだけど。その世界で、日本人の血を引く著者の中学1年生の息子さんがとてもクレバーで逞しい。母が言った言葉の中で最も印象的なのは、「無知と無能は違うのよ。無知は学べば無知ではなくなる」的な一言。


最近続刊が出ているのだけど、文庫になったら読もう(気が長い話)。



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