ストーリーテリングの妙
- primarytomoko
- 2020年9月28日
- 読了時間: 4分

【考えるきっかけ、背景】
以前、フリーランスの方が集まる場所で、「ネットショップの作り方講座」みたいなのをやろうという話題が出たことがありました。
その中で、何度かキーワードとして出てきた言葉が「ストーリー」や「ストーリーテリング」というもの。
「文章を書くにあたり、ストーリーがある方が人の心が動く」
うんうん、わかるわかる。
なんかドラマが欲しいよね。
序章から入って、ちょっとメイン的な物語クライマックスがあって、その物語が今に続く感が欲しいよね。
ん?ドラマ?
どんなドラマ作ればいいの?
ストーリーのある文章を書くノウハウとは?
その漠然とした主題に対し、何かを考えてみたい。そういう熱情がちょびっと湧きました(あえて控えめに)。
私は依頼に対して文章を書き、その文章が「いったいこの世でどんな効果を発揮したのか」を数値化する方法もないような曖昧な世界の仕事をしてきたせいで、「モノを売ってお金をもらう」という、この世の基本みたいな商売の経験が乏しいのです。
おそらくネットショップでモノが売れたら、心臓がドキドキしすぎてその日は眠れないと思います。
【書ける理由を説明できない】
「じゃあ、ネットショップの講座で一緒に『ライティング講座』もやればいいよね! 文章は絶対にいるし」
あ、そうですよね。
だって文章は必然的に書かなくてはいけないしね。
ん? それ誰がやるの?
え? 私?
という流れを作っていただき、そこで私は実感したのです。
私は文章を書いています。
でも、それを書ける理由を説明できないのです。
今までの職歴にて、上司から言われたアドバイスを一生懸命思い出しても、「とりあえず書いてみるといいよ」「感想より情報を」以外の記憶を呼び起こすことができません。ひどい、もっとあったはず。
基本的にはOJTという名の現場ぶっ込み育成しか経験がなく、とりあえず数をこなして肌で体感してきた記憶のみが鮮明です。
私自身は「書く」より「喋る」「コミュニケーションする」ことの方が課題だったので、「アポ入れ辛い」とか、「全然喋ってくれないシェフ怖い」とか、そういう苦難ばかりが思い出される悲しみ。
→この辺りは、取材前にありとあらゆる情報を拾い出し、現場で切り出す話題をあらかじめたくさん用意しておくという手法で乗り切るようになりました。とりあえず「調べてきたよ」という姿勢を見せると、取材相手はとても気分が良くなる(ことが多い)。
毎日毎日書いて、書いて、書いていたら、今「なぜかわからないけど文章は書ける」という状態になっているのですが、でも言語化していない「無意識ノウハウ」が数え切れないほどあると思うので、それを一つひとつ紐解いて行ってテキスト化してみたらいいのでしょうか。
どうでしょう。
謎ですが、「自分がワクワクするな」という実感が確かにあるので、これから考えてみます。
まだ始まってないのにネタにするなという状況です。
すみません。
【それを教えることでどうなるのか的な】
文章を書くとか、モノを編集するとか、「派手な仕事のようでいて、実際は一人でコツコツ殻に閉じこもって作業する人」のことを私は「隠れ根暗」だと思ってます。
私は隠れてない根暗だとも思っています(いい年ぶっこいて少女漫画が好きで、ごく最近衝撃を受けたのは大好きな少女漫画「ハニーレモンソーダ」の実写化キャストがあまりにもイメージとかけ離れていたことです。演者に非はありません。映画を作る人たちに物申したいのですが、でもまだ実物を見ていないのでなんとも言えません)。
自分の脳内を思考で囲い込み、もともとある根暗要素にインプットした刺激(取材なども含む。今回のフリーランスの集まりもとても刺激的だった)を加えて、炒めて煮詰めて、ちょっと冷ましたくらいに言葉が出てくる。
そもそも考えてから書くよりは、書きながら考えている。
書くことが思考とつながっている。
そんな感じなので、多分私は自分の「書き方」を丸ごと伝えることはできないな、と感じました。
でも無意識でやっていることといえば、具体例を必ず入れる(例えば私だったら「喋らないシェフ怖い」から、事前にネットなどで店の情報をわかる限り集めるなどの取材の工夫をしたとか)、セリフっぽい言葉を入れて緩急入れる、同じ言い回しを続けない、写真で見てわかることをそのまま書かない(写真では判別できない情報を入れる)、類似性のある情報はまとめるなどなどなど。その上で心が動く言い回しをめちゃくちゃ考えていく。
多分、自分が売りたいものがあったら、やっぱりあらゆるサイトを見て、そのブランドの背景を調べます。
ブランドじゃなければ、アイテムそのものの歴史、トレンド、インスタでハッシュタグつけてキーワード検索して「誰がどんなコメントしてるか」をしらみつぶしに読み込んだりして。そこから「ちょっと素敵」と思わせる要素をガツガツ拾い出し、言い回しを絶妙に変えてうまいこと言葉をつなげて文章を作っていく気がする。
あ、こういうの?
こういうのノウハウ?
つまり「文章を書く」ためには、大前提として「情報収集」「死ぬほどコツコツ調べる」という事前準備が不可欠、ということがわかりました。
そこから「何を選ぶか」はまた次なるステージに進むので、またいつか、パッションが沸き起こった時にテキスト化してみたいと思います。
ああ、単純な結論なのに長かった。
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