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昔の旅3:たとえば東欧のごはんについて

これは私自身が2008年の4月、ハンガリーとチェコを旅した記憶の記録です。当時使っていたパソコンのHDDの記録を、「古いデータと写真を全部入れ込んでいる」大容量のHDDの奥底から発見しました。

社会主義国だった東欧諸国がEUに加盟して数年、急激に資本主義化する国々を旅しました。素朴な可愛さに憧れて訪れたそこには、理想と少し違う朗らかな世界がありました。

為替レートなどは当時のものです。




【東欧旅行日記:たとえばごはんについて】2008年の記録



ハンガリーの名物はパプリカ煮込みでした。どんな食べ物もパプリカで煮込んでしまう。




←王宮の丘のレストランで食べたチキンのパプリカ煮込み






チェコではグラーシュという、ハンガリー由来のパプリカ煮込みグヤーシュから派生したシチューのようなものをよく食べました。あとはローストポークとか、これに小麦粉を錬ってゆでたクネドリーキを添えて食べたり、マッシュポテトを合わせたり。


→ヴェプショー クネドロ ゼロ (ローストポークとザワークラウト、蒸しパンのセット)





レストランに入るとたいていメニューに「ハンガリークラシック」とか「チェコクラシック」とかのコーナーがあって、そこに観光客が喜びそうな伝統的メニューが並んでいます。


観光地の店ならもっと分かりやすい「ツーリストメニュー」があるので、それを頼めば伝統的ごはんを堪能できます。だいたい2000円くらいでどこも食べられたと思います(ドリンク代とチップを入れると、一食3000円くらいになります)。


でもそれ以上に、思い出深いのはホテルの朝ごはんで毎日食べた酸っぱいパン。


ブルータスの「おいしいパンの教科書」をちらちら読んでいたら、今は天然酵母を使っても酸っぱくならない技術が発達していると書いてあったけど、わたしはあの酸っぱさがいいなあと思いました。


薄くスライスした丸いパンにバターを塗って、ハムとチーズを載せて食べる。パン自体には甘味がないけどかみ応えはあり、ゴマやクルミで風味がつけてあることも。




←プラハのホテルで食べた朝ゴハン。ここはハムとチーズとパン以外が微妙な味だったなあ





そんなオープンサンドを毎朝食べて、それでもずっと飽きなかったのはやっぱり素朴なおいしさにハマったからでしょう。 機内食で出てくるパンからして「なんだかおいしいな」と思っていたのです。フィンランド航空だったのでフィンランドのパンだったのだけど。


あとは、チェコで有名なホットドッグ「パーレックフロフリーク」を歩きながら食べたり、念願の墓地北公園でおっきなソーセージを食べたり。


そんなふうにパンと肉(ハムかソーセージ、ポークかビーフ)ばかり食べていた旅の間、唯一魚らしきものに出会ったのはチェスキークルムロフの魚料理屋でした。


ドナウ河の上流にあり、彎曲した河に挟まれるようにたたずむ中世の街、チェスキークルムロフは1990年代まで忘れ去られた場所でした。ユネスコの世界遺産に登録されて人が戻り、たった10数年で今の状態まで整備されたと思うと信じられないほどきれいで、人もまばらな月曜日は(城がお休みだったので)とても居心地がよかった。


チェコ滞在中晴れたのはこのチェスキーだけ。


青空のした、色とりどりの壁とオレンジの屋根が続く街はほんとうにかわいい。


街から城へ続く橋のそばにあるレストラン「PARKAN」で、マスとか鯉とか淡水魚の料理が食べられます。ここでマスのフライを食べたのですが、じつに一週間ぶりくらいのお魚はおいしかった! また肉料理もとても美味。


←レモンを絞っていただく。おいしい!








店に入ると、よくどこからきたのかを聞かれますが、ここではまず「コリアンかい?」。いいえ、日本ですと答えるとウエイターの声の高いおっちゃんが「ヤーパンだってさ!」と厨房にでかい声で伝えていました。


それも食事の思いでの一つです。



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