昔の旅7:東欧で出逢った人について
- primarytomoko
- 2020年8月18日
- 読了時間: 3分
これは私自身が2008年の4月、ハンガリーとチェコを旅した記憶の記録です。当時使っていたパソコンのHDDの記録を、「古いデータと写真を全部入れ込んでいる」大容量のHDDの奥底から発見しました。
社会主義国だった東欧諸国がEUに加盟して数年、急激に資本主義化する国々を旅しました。素朴な可愛さに憧れて訪れたそこには、理想と少し違う朗らかな世界がありました。
為替レートなどは当時のものです。
【東欧旅行日記:出会った人について】2008年の記録
困ったことが多かったので、その都度質問する必要がありました。
そのため、いつもの旅よりうんとこさ頑張ってコミュニケーションを取りました。
でもこちらから働きかけなくても、あらゆるスポットで何かが降って来ます。日本人と分かると「コンニチハ」と声をかけてくる小学生(inブダペストの美術館で。社会見学で来ていた小学生がすれ違い様声をかけてきたり。はたまたプラハ市内の観光スポットで、「HELLO」と頑張って挨拶してくれた小学生など)、どこから来たの?とまず確認するビアホールのお兄さん。
一番思い出深いのは、プラハのど真ん中、市民会館1階にあるカフェ「カヴァールナ・オベツニー・ドゥーム」の店員さんです。

←オベツニー・ドゥームのカフェ店内
ケーキとお茶で夜を締めくくっているわたしたちに突然「どこから来たの?(英語)」と声をかけ、日本ですと告げた途端彼は日本語で言いました。「わたしは日本語を勉強しています」。とても流暢。
聞けば2年前から日本語の先生について勉強しているとのこと。
2年でこれだけしゃべられたらすごいな。
「なぜ日本語を勉強しているの?」
「趣味なのです」
趣味で剣道まで習い、今度家族で(子供がいるらしい)日本食レストランに食事に行く予定があり、楽しみなんだそう。
日本語を話す相手を見つけてとってもうれしそうで、仕事中なのにしょっちゅう立ち止まって話し込んで行きました。
「わたしはは毎日べろんべろんです」
「彼はわたしの会社の友だちです」(そう言って同僚を紹介してくれた)
「わたしはいつか歩いて日本に行きます。香港まで歩いていって、そこから泳いで行きます」
「わたしはほら吹きです」
とりあえず毎日飲んでいてべろべろに酔っぱらって、会社の同僚(というか他の店員さん)とも仲が良く、いつか日本に行きたいらしいけど嘘つきらしい。
わたしたちは彼を「べろんべろん」と呼んでいました。旅が終わるまで。
彼の友だちでプラハ在住日本人がいて、彼女がチェコ語の本を出している。
そうべろんべろんが言うのに旅同行者がピンと来て、取り出したのは池田なつ実さんの「旅の指さし会話帳 36 チェコ」。
「これはわたしの友だちです!」
べろんべろん大興奮。
会話帳は旅の会話集のはずなのになぜか「あなたと結婚したい」「愛してる」などの表現まであり、べろんべろんはその点をおもしろがっていました。わたしには、会話帳に酔っ払いのことを「べろんべろん」と紹介してあったので、語源はこの著者か…の点の方が面白かったけど。
紅葉のシールをくれた彼。プラハに行く予定のある人は、ぜひ会いにいってみてね。
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